ラジオ番組『ラジオクラブとまりぎ』

府中市のコミュニティFM「ラジオフチューズ」で放送中のラジオ番組

『府中音頭』の謎

『ひるどきフチューズ!〜詩子の斬 SAMURAI Monday〜』で、リスナーの1人が『府中音頭』をリクエストしたところ、パーソナリティの詩子さんが感動されていました。

 

『府中音頭』

池田誠一郎/作詩

ダニー飯田/作曲

坂本九/唄

 

です。

 

どうすれば聞こえるか

 

わたしは、たまたま自宅にあったカセットテープ、ビクター『活力とやすらぎのふるさと府中』(1988年)から、この歌を知りました。市役所で、まだ頒布中のようです。

 

CD『ベスト坂本九99』(2007年)に収録されており、Amazon prime music Unlimitedをお使いの方は、聴き放題です。

 

ベスト坂本九 99

ベスト坂本九 99

 

 

 

1985年8月12日、御巣鷹山墜落事故で亡くなられた坂本九さん。ならば、どこかに生前の音源があり、このカセットテープはそこから取ったのではないか、だとすれば、その音源はどこにあるのだろうか。

 

まずは、インターネットで検索しました。すると、ヤフオクにレコード『府中音頭』が出品されているではありませんか。しかも、カップリング曲として香山ユリ『幸福をよぶ若い町』が収録されている、というところまでわかりました。ただしかし、どなたかが落札済みで、もう手に入れることはできません。

 

次に、インターネットの中でも「府中市立図書館所蔵資料検索」で検索してみました。すると、このレコードが中央図書館(の書庫)に所蔵されていることがわかり、わたしはそこへ訪問しました。

 

カウンターで、書庫にあるレコードを出していただいたところ、貸し出しができるとのことで、慎重にジャケットにある歌詞を読みました。

 

「うん。間違いない。これはあの府中音頭だ。」

 

レコード本体には、「昭和38年」「東芝EMI」「制作・府中市観光協会」の文字。これは新たな手がかりです。すなわち、府中市観光協会が制作した音源を、東芝EMI(当時)がプレス、1963(昭和38)年に頒布なり発売なりされたのでは、ということです。

 

また、ジャケットの裏面を見ると、なんと『府中音頭』の振り付けが描かれているではありませんか。

 

ここで、新たな疑問が生まれます。

  1. 『府中音頭』と、そのB面の『幸福をよぶ若い町』は、どんないきさつで制作されたのか。
  2. 『府中音頭』には振り付けがあるにもかかわらず、これが、『府中小唄』と違って盆踊りで踊られないのはなぜか。

 

そこで、私は、次のような仮説を立てました。

  1. 1954年の府中市制施行から、10周年になるのに合わせ、「府中市観光協会」が「東芝EMI」に、まちおこしにつながるような「ご当地ソング」の制作を依頼。府中に工場を持つ東芝は、快諾。作詞にご当地ソングを数多く手がけていた池田誠一郎、作曲にダニー飯田、演奏にダニー飯田率いるパラダイス・キング(当時、坂本九はそのメンバー)をあてがった。
  2. 時間の関係?

 

府中市観光協会」の後身である「NPO法人府中観光協会」に問い合わせたところ、

「当時の関係者がいないので答えかねる」

とのことでした。

 

2020年1月30日

ガイザー