ラジオ番組『ラジオクラブとまりぎ』

BCL・HAMなど、電波を扱う趣味に特化したラジオ番組。ラジオフチューズで好評放送中。

「放送局のコールサインいろいろ(2)」2023年11月4日放送分

ラジオ番組の収録(イメージ)

 おはようございます。『とまりぎ』の時間です。この番組では、ラジオの前のあなたの科学の目を開き、知的探究心を活性化させていきます。ごいっしょに、いきいきとした「ふちゅうライフ」を過ごしましょう。お相手は私、ガイザーです。

MUSIC
Billy Joel/Uptown Girl

 ここからは、「ハム・ツアーズ」のコーナーです。このコーナーでは、ラジオの前のあなたを、電波、無線通信の楽しさへご招待します。案内人は私、ガイザーです。
 先月の番組では、日本における放送局へのコールサインの割り当てなどについてご紹介しました。
 コールサインは、識別信号とも呼ばれるように、放送局を識別する上で重要な符丁になっているのですが、どのように扱えばよいのでしょうか。また、どのくらいの頻度で放送すれば良いのでしょうか。これについて、無線局運用規則第138条を見ながら、ごいっしょに考えてみることにしましょう。
 無線局運用規則第138条を抜粋してお読みします。
1. 地上基幹放送局及び地上一般放送局は、放送の開始及び終了に際しては、自局の呼出符号又は呼出名称を放送しなければならない。
2. 地上基幹放送局及び地上一般放送局は、放送している時間中は、毎時一回以上自局の呼出符号又は呼出名称を放送しなければならない。
3. 前項の場合において地上基幹放送局及び地上一般放送局は、国際放送を行う場合を除くほか、自局であることを容易に識別することができる方法をもつて自局の呼出符号又は呼出名称に代えることができる。
 以上、無線局運用規則第138条から抜粋してお読みしました。ここでいう呼出符号はいわゆる「コールサイン」、呼出名称は無線局免許状に記載された放送局の正式名称を指します。また、ラジオフチューズを含むほぼすべてのFMラジオ、AMラジオ、ならびに地上デジタル放送は「地上基幹放送局」に該当します。
 最初の問いに戻ると、無線局運用規則第138条によると、コールサインを読み上げるべきタイミングは「放送の開始及び終了」と、「放送している時間中、毎時1回」に集約することができます。確かに、他のラジオ放送などを聞いていましても、早朝の放送開始、深夜の放送終了などのタイミングで、会社のイメージソングや社歌、ご当地ソングなどを演奏しながら、コールサインや周波数、放送局の位置などを読み上げている例をよく耳にします。
 一方で、放送している時間中は、国際放送を行う場合を除くほか、自局であることを容易に識別することができる方法をもって代えることができるともあります。したがって、ラジオフチューズの場合、夜を徹して24時間連続して放送していますので、「放送の開始及び終了」のタイミングはありませんし、「放送している時間中」も「ラジオフチューズ」という名前の含まれたジングルを毎時1回以上放送していますから、コールサインをどうしても読み上げなければならないタイミングは存在しないということになります。ただ、読み上げてはいけないという規則もまた存在しないため、この番組では引き続き、コールサインを読み上げようと思います。
 以上、「ハム・ツアーズ」のコーナーでした。案内人は私、ガイザーでした。

MUSIC
布施明/積木の部屋

 お聴きの放送は、ラジオフチューズです。
・周波数:87.4MHz
・空中線電力:10W
コールサイン:JOZZ3CP-FM

で、東京外大屋上から送信しています。
 ラジオフチューズは、FMラジオの他、インターネットラジオ「FMプラプラ」でもお楽しみになれます。ひきつづき、ラジオフチューズの番組をお楽しみください。
 この番組では、ラジオの前のあなたからのメッセージをお待ちしております。ラジオフチューズのウェブサイト右上にある手紙のマーク、メッセージ・リクエスト・フォームからお寄せください。
 これで、『とまりぎ』の時間を終わります。お相手は、私、ガイザーでした。次の放送は、12月2日土曜日の、朝5時45分から朝5時59分までの14分間です。
 それでは次の放送まで、さようなら。

 

◆参考◆

放送では読みきれなかった無線局運用規則の全文はこちらです。

www.tele.soumu.go.jp

「放送局のコールサインいろいろ(1)」2023年10月7日放送分

ラジオ放送の受信を楽しむ様子


 おはようございます。『とまりぎ』の時間です。この番組では、ラジオの前のあなたの学の目を開き、知的探究心を活性化させていきます。ごいっしょに、いきいきとした「ふちゅうライフ」を過ごしましょう。お相手は私、ガイザーです。

MUSIC
The Beatles/Maxwell’s Silver Hammer

 ここからは、「ハム・ツアーズ」のコーナーです。このコーナーでは、ラジオの前のあなたを、電波、無線通信の楽しさへご招待します。案内人は私、ガイザーです。
 きょうは、放送局のコールサインについてご紹介します。コールサインとは、呼出符号、または識別信号ともいい、すべての無線局に1つずつ割り当てられたアルファベットと数字でできた文字列のことを指します。コールサインをどの文字で始めるかは国際的な取り決めがあり、日本では、JAからJSまで、7Jから7Nまで、8Jから8Nまでのどれかで始めることが定められています。コールサインは、総務省や、その地方組織から、無線局免許状を受ける際に決定されます。自動車に当てはめれば、無線従事者免許証は運転免許、無線局免許状は車検証、コールサインはナンバープレートに例えられます。
 ラジオ放送のコールサインは、JOから始まり、4文字目が放送局の種類を表します。KはNHKラジオ第一、BはNHKラジオ第二、Rは民放AMラジオ*1、Oはその中継局など、本当はもっと細かいですがこういった具合です。ただし、ラジオフチューズを含むコミュニティ放送は事情が異なり、冒頭4文字はJOZZ、5文字目は地域を表す数宇、6文字目と7文字目は放送局ができた順番をあらわします。たとえば、ラジオフチューズのコールサインであるJOZZ3CP-FMは、JOが日本の放送局、ZZがコミュニティ放送、3が関東、CPが開局順と分解することができます。
 これらの後ろに、FMラジオの場合は「-FM」、地上デジタル放送の場合は「-DTV」、かつての地上アナログ放送の場合は「-TV」と付くのですが、中波放送、通称AMラジオの場合は何も付きません。ちなみに、マスメディア集中排除原則といって、NHK日本放送協会、かつての放送大学学園など一部を除いて、1つの法人が複数の放送免許を受けることは原則禁止されていますが、AMラジオとテレビ放送の兼業は認められています。他にもいろいろな例外があるのですが、また今度の機会にご案内することにしましょう。
 話を戻しまして、これらのコールサインは、識別信号とも呼ばれるように、放送局を識別する上で重要な符丁になっているのですが、どのように扱えばよいのでしょうか。あるいは、どのくらいの頻度で放送すれば良いのでしょうか。それは、総務省令の1つ、無線局運用規則に定められているのですが、きょうは、時間が来てしまったようです。
 ここまで、「ハム・ツアーズ」のコーナーでした。案内人は私、ガイザーでした。

MUSIC
テレサ・テン/つぐない

 お聴きの放送は、ラジオフチューズです。
・周波数:87.4MHz
・空中線電力:10W
コールサイン:JOZZ3CP-FM

で、東京外大屋上から送信しています。
 ラジオフチューズは、FMラジオの他、インターネットラジオ「FMプラプラ」でもお楽しみになれます。ひきつづき、ラジオフチューズの番組をお楽しみください。
 この番組では、ラジオの前のあなたからのメッセージをお待ちしております。ラジオフチューズのウェブサイト右上にある手紙のマーク、メッセージ・リクエスト・フォームからお寄せください。
 これで、『とまりぎ』の時間を終わります。お相手は、私、ガイザーでした。
 次の放送は、11月4日土曜日の、朝5時45分から朝5時59分までの14分間です。
 それでは次の放送まで、さようなら。

「AMラジオの魅力と今後」2023年8月5日放送分

ラジオ放送の受信を楽しむ様子


◆オープニング◆

 おはようございます。『とまりぎ』の時間です。この番組では、ラジオの前のあなたの科学の目を開き、知的探究心を活性化させていきます。ごいっしょに、いきいきとした「ふちゅうライフ」を過ごしましょう。お相手は私、ガイザーです。
 8月19日土曜日から8月20日日曜日にかけての2日間、東京都江東区東京ビッグサイト南3、4ホールで、「ハムフェア」が開催されます。主催は、JARL日本アマチュア無線連盟です。ハムフェアは、日本のアマチュア無線とその周辺分野の愛好家の最大の祭典で、電子工作教室、記念局運用、研究発表、パネル展示、書籍販売、ジャンク品販売などの様々なアクティビティが展開され、毎年多くの来場者を楽しませています。これらには、アマチュア無線家同士の交流を深めるとともに、電波、無線通信の世界に対する理解を広める役割があります。ラジオの前のあなたも、お時間ありましたら、ぜひインターネット等で下調べの上、参加してみてはいかがでしょうか。私も、参加の予定です。
(曲の紹介)

◆1曲目◆

MUSIC
The Beatles/Hello, Goodbye(3:27)

◆ハム・ツアーズ◆

(曲の紹介)
 ここからは「ハム・ツアーズ」のコーナーです。このコーナーでは、ラジオの前のあなたを、電波、無線通信の楽しさへご招待します。案内人は私、JF1TWOガイザーです。
 きょうは、中波放送、通称「AMラジオ」の話をしたいと思います。
 AMラジオは、概ね531kHzから1602kHzまでの周波数を使って、振幅変調という形式で、音声その他の音響を送る放送のことを指します。このほか、1620kHzなどでは「路側放送」、通称「ハイウェイラジオ」として、高速道路や国道などの一部区間で、道路交通情報などを送信しています。また、1670.5kHzでは「船舶気象通報」、通称「灯台放送」として、全国各地の灯台などから、海で働く方々に向けて、海の天気や波の状況をリアルタイムで情報発信していましたが、ファクシミリやインターネットなどの普及により、2016年9月30日に廃止されました。
 前回もお話しした通り、AMラジオには、山や丘の影などを周り込み、時間帯によっては海外を含む広い範囲で聞こえるという性質があるのですが、このことをもう少し深く考えてみましょう。
 地球の上空、およそ100kmから800kmの場所に、「電離層」と呼ばれる目に見えない層があります。電離層は、漢字で電気の「電」、離れる、地層の「層」と書きます。電離層は、下から順に、D層、E層、F層に分かれています。D層は、昼間のみ発生し、AMラジオを含む中波の電波を吸収する働きがあります。いっぽう、F層は常時発生していて、AMラジオを含む中波の電波を反射する働きがあります。したがって、AMラジオは、昼間はE層に吸収されて地元の放送局しか聞こえないものの、夜間はF層に反射するため、府中市内でも、北海道、九州などの日本各地をはじめ、朝鮮半島や中国大陸といった近隣諸国の放送も聞こえるようになるのです。
 このように、趣味的にはたいへん面白いAMラジオですが、送信に広い土地が必要であったり、鉄筋コンクリート造の建物内や、これらが密集した地域では聞こえにくいという弱点があります。そのため、FM補完放送、通称「ワイドFM」で同じ内容をそのまま送信する、radikoなどのインターネットラジオを併用するなどの対策をとっているのです。それでも、設備の維持管理にかかるコストや、広告収入の減少などもあり、2021年6月に民放AM各局が発表したところでは、2028年をめどに北海道と秋田県を除いてAMラジオをFMラジオに転換するなどとしています。また、2021年1月にNHKが発表したところでは、2025年度中をめどに、現在、2つあるAMラジオのうち「ラジオ第2」を廃止するとしています。縮小傾向にあるAMラジオですが、面白いところはたくさんありますので、ぜひ受信にチャレンジしていただければと思います。
 ここまで、「ハム・ツアーズ」でした。案内人は私、JF1TWOガイザーでした。
(曲の紹介)

◆2曲目◆

MUSIC
ハナ肇クレイジーキャッツ/愛してタムレ(2:51)

◆エンディング◆

(曲の紹介)
 お聴きの放送は、ラジオフチューズです。
・周波数:87.4MHz
・空中線電力:10W
コールサイン:JOZZ3CP-FM

で、東京外大屋上から送信しています。
 ラジオフチューズは、FMラジオの他、インターネットラジオ「FMプラプラ」でもお楽しみになれます。ひきつづき、ラジオフチューズの番組をお楽しみください。
 この番組では、ラジオの前のあなたからのメッセージをお待ちしております。ラジオフチューズのウェブサイト右上にある手紙のマーク、メッセージ・リクエスト・フォームからお寄せください。
 これで、『とまりぎ』の時間を終わります。お相手は、私、ガイザーでした。
 次の放送は、9月2日土曜日の、朝5時45分から朝5時59分までの14分間です。
 それでは、アマチュア無線家に伝わる伝統のご挨拶で、次の放送までお別れしましょう。73 and 88。さようなら。

「地上アナログテレビ放送の終了と『跡地利用』」2023年7月1日放送分

 おはようございます。ガイザーです。2023年7月1日放送分の原稿を、まるごと公開します。

◆オープニング◆
 おはようございます。『とまりぎ』の時間です。この番組では、ラジオの前のあなたの科学の目を開き、知的探究心を活性化させていきます。ごいっしょに、いきいきとした「ふちゅうライフ」を過ごしましょう。
 お相手は私、ガイザーです。
(曲の紹介)

◆1曲目◆
ABBA/Take A Chance On Me

◆ハム・ツアーズ◆
(曲の紹介)
 ここからは、「ハム・ツアーズ」です。この時間は、ラジオの前のあなたを、電波、無線通信の楽しさへご招待します。案内人は私、JF1TWOガイザーです。
 2011年7月24日、東日本大震災の被災地である岩手県宮城県福島県を除いた日本全国で、地上アナログテレビ放送が終了し、地上デジタルテレビ放送、通称「地デジ」に一本化されました。これを、「地デジ化」と呼んでいます。地デジでは、ハイビジョン放送、マルチ編成、データ放送など、それまでにはなかった様々なサービスが提供され、初めて見たときは驚いたという方々も多いのではないでしょうか。
 地上アナログ放送が終了したことにより、FMラジオには大きな変化が生まれました。それまでの76.1から85.9MHzまでの周波数に加えて、86.0から94.9MHzまでの周波数もFMラジオに用いることができるようになったのです。
 86.0から89.9MHzまでの周波数は、もとからFMラジオに割り当てられてきましたが、90MHz付近を使っていたアナログ1chとの干渉を防ぐため、関東平野では割り当てが避けられてきました。しかし、地上アナログ放送の終了により、この必要がなくなった結果、87.4MHzのラジオフチューズなど、この範囲内の周波数を割り当てられるコミュニティFMなどが現れてきています。
 また、AMラジオと同じ内容をそのまま送信するFM補完放送、通称「ワイドFM」も開始されました。AMラジオには、山や丘の影などを周り込み、時間帯によっては海外を含む広い範囲で聞こえるという性質がある一方で、鉄筋コンクリート造の建物内や、建物の密集した地域では聞こえづらいという側面があります。そこで、概ね90.0から94.9MHzまでの周波数を使って、AMラジオと同じ内容をFMでそのまま送信することにより、これらの困難を解消しようという取り組みが、ワイドFMなのです。
 このように、放送業界では、PCやスマートフォンなどで、ラジオ放送が気軽に楽しめるようになった現代にあっても、電波での直接受信が円滑にできるように工夫を重ねています。ラジオの前のあなたも、自然災害や停電を想定し、乾電池で駆動するラジオでの直接受信などにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
 以上、「ハム・ツアーズ」でした。案内人は私、JF1TWOガイザーでした。
 暑い夏がやってきました。
(曲の紹介)

◆2曲目◆
ハナ肇とクレージーキャッツ/地球温暖化進行曲

◆エンディング◆
(曲の紹介)
 お聴きの放送は、ラジオフチューズです。
・周波数:87.4MHz
・空中線電力:10W
コールサイン:JOZZ3CP-FM
で、東京外大屋上から送信しています。
 ラジオフチューズは、FMラジオの他、インターネットラジオ「FMプラプラ」でもお楽しみになれます。なお、「リスラジ」での放送は、昨日、6月30日をもって終了いたしました。ひきつづき、ラジオフチューズの番組をお楽しみください。
 この番組では、ラジオの前のあなたからのメッセージをお待ちしております。ラジオフチューズのウェブサイト右上にある手紙のマーク、メッセージ・リクエスト・フォームからお寄せください。
 これで、『とまりぎ』の時間を終わります。お相手は、私、ガイザーでした。
 次の放送は、8月5日土曜日の、朝5時45分から朝5時59分までの14分間です。
 それでは、アマチュア無線家に伝わる伝統のご挨拶で、次の放送までお別れしましょう。
 73 and 88。さようなら。

「スポラディックE層」2023年6月3日放送分

 おはようございます。ガイザーです。2023年6月3日放送分の放送内容をまるごと公開します。

◆オープニング◆
 おはようございます。『とまりぎ』の時間です。この番組では、ラジオの前のあなたの科学の目を開き、知的探究心を活性化させていきます。ごいっしょに、いきいきとした「ふちゅうライフ」を過ごしましょう。お相手は私、ガイザーです。
(曲の紹介)

◆1曲目◆
The Beatles/Eight Days A Week

◆ハム・ツアーズ◆
(曲の紹介)
 ここからは、「ハム・ツアーズ」です。この時間は、ラジオの前のあなたを、電波、無線通信の楽しさへご招待します。案内人は私、JF1TWOガイザーです。
 この時期、FMラジオが大きな影響を受ける自然現象があります。「スポラディックE層」、通称「Eスポ」です。
 Eスポとは、主に春から夏にかけて、とりわけこの初夏の時期の昼間に発生する、VHFの電波を反射する性質を持つ、特殊な電気を帯びた層のことを指します。VHFは、アマチュア無線、漁業無線、航空無線、防災行政無線、そしてFMラジオなどに使われています。
 Eスポが発生すると、府中市でも、九州、沖縄、朝鮮半島、中国大陸など、数千km離れた普段は聞こえないはずのFMラジオが盛んに聞こえるようになります。私も、Eスポ発生中、沖縄の石垣島にあるFMラジオを受信し、ベリカードを獲得したことがあり、忘れられない思い出となっています。
 ただ、87.4MHzか、それに近い周波数の放送が府中まで届くと、それらとラジオフチューズとが混じって聞こえてしまう場合があります。これを、「混信」と呼んでいます。混信発生中も、キレイにラジオフチューズをお聞きになりたい方は、インターネットラジオ「FMプラプラ」をご利用ください。
 ちなみに、日本では、FMラジオの放送を、76.1から94.9MHzまでの周波数でおこなっています。しかし、この範囲を使っている国は日本だけで、多くの国や地域では87.5から108MHzまででおこなっています。つまり、87.4MHzで送信しているラジオフチューズは、この世界標準の周波数帯の下限である87.5MHzと0.1MHzの差しかありません。ちょうど世界と日本の「キワ」の部分で送信しているようで、なんだか壮大な気分になります。
 では、そんなキワキワの87.4MHzという周波数が割り当てられるようになったのは、なぜでしょうか。これには、放送業界にとっての歴史的出来事が関係しているのですが、きょうは、時間が来てしまったようです。これについては、また今度、お話しすることにしましょう。
 以上、「ハム・ツアーズ」でした。案内人は私、JF1TWOガイザーでした。
 さて、6月18日は「父の日」、6月22日は「ゴイサギさんの誕生日」です。これに際して、とっておきの歌をご用意いたしました。
(曲の紹介)

◆2曲目◆
ハナ肇とクレージーキャッツ/実年行進曲

◆エンディング◆
(曲の紹介)
 お聴きの放送は、ラジオフチューズです。
・周波数:87.4MHz
・空中線電力:10W
コールサイン:JOZZ3CP-FM
で、東京外大屋上から送信しています。
 ラジオフチューズは、FMラジオの他、インターネットラジオ「FMプラプラ」でもお楽しみになれます。なお、「リスラジ」での放送は、6月30日をもって終了いたします。ひきつづき、ラジオフチューズの番組をお楽しみください。
 この番組では、ラジオの前のあなたからのメッセージをお待ちしております。ラジオフチューズのウェブサイト右上にある手紙のマーク、メッセージ・リクエスト・フォームからお寄せください。
 これで、『とまりぎ』の時間を終わります。お相手は、私、ガイザーでした。
 次の放送は、7月1日土曜日の、朝5時45分から朝5時59分までの14分間です。
 それでは、アマチュア無線家に伝わる伝統のご挨拶で、次の放送までお別れしましょう。
 73 and 88。さようなら。

『府中音頭』の謎

『ひるどきフチューズ!〜詩子の斬 SAMURAI Monday〜』で、リスナーの1人が『府中音頭』をリクエストしたところ、パーソナリティの詩子さんが感動されていました。

 

『府中音頭』

池田誠一郎/作詩

ダニー飯田/作曲

坂本九/唄

 

です。

 

どうすれば聞こえるか

 

わたしは、たまたま自宅にあったカセットテープ、ビクター『活力とやすらぎのふるさと府中』(1988年)から、この歌を知りました。市役所で、まだ頒布中のようです。

 

CD『ベスト坂本九99』(2007年)に収録されており、Amazon prime music Unlimitedをお使いの方は、聴き放題です。

 

ベスト坂本九 99

ベスト坂本九 99

 

 

 

1985年8月12日、御巣鷹山墜落事故で亡くなられた坂本九さん。ならば、どこかに生前の音源があり、このカセットテープはそこから取ったのではないか、だとすれば、その音源はどこにあるのだろうか。

 

まずは、インターネットで検索しました。すると、ヤフオクにレコード『府中音頭』が出品されているではありませんか。しかも、カップリング曲として香山ユリ『幸福をよぶ若い町』が収録されている、というところまでわかりました。ただしかし、どなたかが落札済みで、もう手に入れることはできません。

 

次に、インターネットの中でも「府中市立図書館所蔵資料検索」で検索してみました。すると、このレコードが中央図書館(の書庫)に所蔵されていることがわかり、わたしはそこへ訪問しました。

 

カウンターで、書庫にあるレコードを出していただいたところ、貸し出しができるとのことで、慎重にジャケットにある歌詞を読みました。

 

「うん。間違いない。これはあの府中音頭だ。」

 

レコード本体には、「昭和38年」「東芝EMI」「制作・府中市観光協会」の文字。これは新たな手がかりです。すなわち、府中市観光協会が制作した音源を、東芝EMI(当時)がプレス、1963(昭和38)年に頒布なり発売なりされたのでは、ということです。

 

また、ジャケットの裏面を見ると、なんと『府中音頭』の振り付けが描かれているではありませんか。

 

ここで、新たな疑問が生まれます。

  1. 『府中音頭』と、そのB面の『幸福をよぶ若い町』は、どんないきさつで制作されたのか。
  2. 『府中音頭』には振り付けがあるにもかかわらず、これが、『府中小唄』と違って盆踊りで踊られないのはなぜか。

 

そこで、私は、次のような仮説を立てました。

  1. 1954年の府中市制施行から、10周年になるのに合わせ、「府中市観光協会」が「東芝EMI」に、まちおこしにつながるような「ご当地ソング」の制作を依頼。府中に工場を持つ東芝は、快諾。作詞にご当地ソングを数多く手がけていた池田誠一郎、作曲にダニー飯田、演奏にダニー飯田率いるパラダイス・キング(当時、坂本九はそのメンバー)をあてがった。
  2. 時間の関係?

 

府中市観光協会」の後身である「NPO法人府中観光協会」に問い合わせたところ、

「当時の関係者がいないので答えかねる」

とのことでした。

 

2020年1月30日

ガイザー